9月19日(祝/月)午後、横浜能楽堂第二舞台で第4回事前講座「復曲能〈和田酒盛〉と『曽我物語』」を開催しました。台風が近づく中ではありましたが大勢のお客様にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
メンバー揃ってのご挨拶。加藤眞悟が復曲能への思いを熱く語ります。
前半は、歴史学の保立道久氏(東京大学名誉教授)のご講演「曽我物語と虎御前の謎」。
〈和田酒盛〉の原典である『曽我物語』の歴史的な背景、源頼朝の二女騒動、曽我兄弟の最終目標は頼朝殺害であり相模の御家人たちが計画を支えていたこと、虎御前の出自、仇討後の虎は兄弟を弔い続けて64歳で亡くなったこと、当時の遊女の立場とネットワーク、走湯権現(伊豆山神社)と箱根権現(箱根神社)は高麗の神を祀っていることなど興味深いお話の連続でした。
休憩をはさんで後半は二人目のゲストである能楽笛方森田流の槻宅聡師に笛と舞についてお話しいただきました。〈和田酒盛〉で舞う男舞の笛の唱歌(口誦譜)を謡ったり、笛の音色を間近でを聞いたりして舞とは何かを知っていきました。
シテ方の加藤眞悟、長谷川晴彦、古室知也も加わり、〈和田酒盛〉の曽我十郎・五郎兄弟、朝比奈による男舞の相舞をご覧いただき、舞の世界を体感しました。
横浜能楽堂本舞台は前田家ゆかりの舞台。鏡板には老松に加え、前田家の梅が描かれています。本日の会場、第二舞台の鏡板は本舞台の写しです。
東京公演前の事前講座全4回は好評のうちに終了いたしました。今後は公式サイトや公式ツイッターなどで様々な情報をお知らせして参ります。ぜひチェックしてみてください。
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