〈復曲能を観る会〉で上演する「和田酒盛」とは

室町時代作の記録がありながら、上演記録のない幻の能。尾張出身の天下人・織田信長が本能寺の変の直前、幸若舞の「和田酒盛」を観て上機嫌であったという記録が残ります。


父の仇討を前にした曽我十郎祐成と遊女・虎御前の惜別の場面で始まり、後半は一転、和田義盛をはじめとする有名な鎌倉武将たちの大酒宴の場面となります。幽玄な能のイメージではないスペクタクルな演目です。十郎のことを想う虎御前の姿は現代人にも共感と感動を与えてくれます!

画像は、「曽我物語図会」より和田酒盛の場面/国立国会図書館デジタルコレクション


🔵もう少し詳しい解説🔵

源頼朝の富士の巻狩で、父の敵・工藤祐経を討つことを決めた曽我十郎祐成は大磯へ出向き、恋人の遊女・虎御前に別れを告げる。そのころ、当時の実力者・和田義盛は虎の宿でしばし休息を取り、同行の鎌倉武将たちは大酒宴を開く。虎御前と十郎も宴席を共にし、座興に好きな相手に自分の飲んだ盃をさす「思い差し」が提案されると、虎御前は十郎に盃を向ける。それを見た三浦(和田)一門は今にも十郎に討ちかかろうとする。そこへ十郎の弟の五郎時致が駆けつけて朝比奈(義盛の子)と組み合うが、十郎が二人を引き離す。十郎の申し出により朝比奈と五郎が相舞を舞い、やがて十郎も加わり、その後、和田、曽我の地へと帰って行く。


復活した能「和田酒盛」、ぜひ12月11日の名古屋能楽堂でご覧ください!

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